あたたかな春の日差しに誘われて,いつもの池に行ってみました。岸の近くの浅瀬には,たくさんのおたまじゃくしが集まって,おだやかな春の光を楽しんでいます。水面から１ｃｍほど顔をだした草にホソミイトトンボがやってきて産卵をはじめました。この場所が気に入ったのか,雌はやがて水の中に潜ってしまいました。

昨日の夜はどしゃ降りの雨の音を聞きました。今日は晴れたのでいつもの池にいってみると,池はずいぶん水かさを増していて,いつも見えている三角藺も水中に隠れています。ホソミイトトンボたちは産卵の場所を失って,大雨で流されてきた草の葉の上で場所とり合戦の最中です。

これはホソミイトトンボの水中産卵です。ペアは水面の草に産卵しながらあとずさりして，ときには水中に体を沈めてしまいます。自分の体に着いた気泡から酸素をとっているのでしょうか。それとも息を止めているのでしょうか。長いときは２０分ほども潜ったままのことがあります。ホソミオツネントンボはホソミイトトンボほど潜らないようです。